とりあえず、上司にもCC入れておく。 自分に来たメールがCCなら返事の必要薄いし、がっつり読まなくてもいい。
……そんな認識、持っていませんか?
日本ではそんなケースも散見されるCCの使い方ですが、あちらではメールのCCに関して、現地スタッフが駐在員に不満を漏らしていたことがありました。
これは一体どういうことでしょうか?今回はCCがテーマです!
CCに対する日本とオーストラリアの考え方の違い
日本でのCC
どちらかというと、日本のCCは読まなくても問題無いとまでは大きな声で言えませんが、読まなくても許される文化が多少なりともある、と(少なくとも私は)感じています。
(いや日本とか海外とか関係なく読めよ・・・と思ったプロフェッショナルな日本のみなさま、ごめんなさい)
みなさん百も承知のことだと思うので、あらためて説明するのは恐縮ですが、その理由として、大体以下のようなものではないでしょうか。
CCメールを読まなくても許される雰囲気がある理由
・(送信側)とりあえず、読んでくれなくてもいいのだが、上司の顔を立てるために、上司にCCを入れておく。
・(送信側)一応、情報共有したという実績を残しておいた方が無難。
・(受信側)CCで着信するメールが多すぎて、とても全部に目を通せない。
・(受信側)自分にとって重要でない内容であっても、大量にCCで送られてくる。
場合によっては、「なんでホウレンソウしっかりやらないんだ!!」なんて怒られないように、送信側の自己防衛のためのアリバイづくり・・・という観点で送る人もいるのではないかと思います。
オーストラリアでのCC
あちらでも、CCを入れるのを大好きですが、若干事情は異なっていました。
まず、CCは読まなくても許されるわけではありません。
CCをちゃんと見ておくことが要請されている。それを予め意識しておくのが無難です。
CCであっても、送信した側は、当然のごとく、こちらが目を通していると思っています。
また、送信の際「とりあえずCC付けとけばいっか」という意識はあまりありません。
上司の顔を立てるためにCCを入れるワケでもなく、読んでほしいから送っているのです。
ちなみに、あまりの上司へのCC乱発は、上司・部下の信頼関係欠如の裏返しと捉えられる可能性もあります。
ということで、本当に必要なものしか送信しないので、CCで来る件数は少ないのか・・・?
というと、そうでもありません。
実際、CCはガンガン来ます。なんと言ってもオーストラリア代表ですから・・・。
日本でのCC意識をオーストラリアに持ち込んだ結果
記事冒頭の駐在員の方は、送られてくるCCに対して日本風の対応をしていたので、現地スタッフから不満を買っていたみたいですね。
かくいう私も例に漏れず、CC作法の違いの意識が甘く、ピンチを経験しました。
メールにCCが入ったトピックの中で、文末付近に
「じゃあ、駐在員YUJIの判断も確認してコトを進めよう」
なんて、ぺろんと突然書いてあったのです。
そのCCメールは他のCCメールの山に埋もれてしまっている状況。
私はそんな事態になっていることは露知らず、3,4日経過の後、C氏がオフィスに来てこんなことを言うではありませんか。
「どうなってるのYUJI? 先方めっちゃ待ってるんだけど?」
と確認が入り、まさに青天の霹靂。冷や汗が出ました。
自分としては、「なんか、あっちでやりとりしてるな~」
ぐらいにしか認識してなかったのですよ。。
たくさんのCCをどう捌くか?
部長・副部長が試行していた努力
部長・副部長も実務に関するCCメールを受け取るのことが普通にあるので、やはり大量のCCはどうにかしたいと思っていたみたいです。
彼らは、CCを含むメール発信の際には、件名に「Action required」や、「FIY(For Your Information 参考)」などといった補足情報を付加する旨を推進しようとしていました。
ですが、結果的に上手く普及しなかったようです。
私がとった対策
わたしも部長達と同じく、オペレーションの段階で、実務に関するやり取りにまでCCが入ること仕事の効率上マイナスだと思い、何とかしたいと思っておりました。
「結論だけ教えてください」とでも言ってしまいたいところでした。
ですが、前述のピンチ以来、方針を変えました。
・込み入った内容は直接聞いてしまう
まず、込み入った内容のCCを受け取ったら「どういうことが行われているか直接説明を求める」ようにしました。(シンプルな内容は直接説明なしでも十分です!)
具体的には、メールの送り主のデスクに直接向かって、口頭で10分程度の説明を求めるようにしたのです。
毎回そんなことをしていたら、自然とあちらから、CC送信の後、こちらに説明をしに来てくれるようになりましたね。
不思議なことに、前提条件をこういった形でシェアすると、これから流れていく話題をフォローしていくモチベーションが高まります。
また、以降脈々と到着するCCの内容も一瞬で理解できるようになります。
・それでもCCに対応できない場合
結果的にすべてのCC内容を理解しておく必要があるのですが、状況・タイミングによっては、やはり物理的に無理な事はあります。
私は、その旨を現地スタッフとコミュニケーションし、配慮してもらうという策を取りました。
例えば出張が予め分かっている際は出張前に一言を声をかけて、CCを追いにくい状況であることを率直に伝えたところ、その前提を配慮した説明をもらったり、必要な情報だけを要約した上で連絡をもらう事が出来ました。
手間をかけ恐縮でしたが、これはとても有難かったです。
恐らく、これは現地スタッフとのコミュニケーションを密にしていたからではないかと思います。
まとめ
・向こうでは、CCは全て読んでいる事が前提で話が進んでいきます!
・こみ入った内容は、直接会って説明を受けた方が早い場合があります。
・どうしてもCCの内容を追えないときには、相談するが吉です。
いかがでしたでしょうか。
異文化間のコミュニケーション様式の差は、ITでも抜け目なく意識したほうが良いみたいですね。
また、質的な面に目を向けると、合意形成のプロセス・階層主義or平等主義といった切り口からの説明が考えられます。それについてはまたいずれの機会に。
ではまた!