皮肉の文化

今回は、異文化間にときたま発生する意外な勘違い。それがテーマです!

Wilsons Prom, 2013. 焚火を前に、皮肉を言い続けた夜。「ん?それ皮肉?笑」というセリフまで皮肉だったのかどうかを見極める会話が続きました。

 

みなさん、以下の表をご覧になったことがありますか?

 

この対応表は、Nanette Ripmeeisterさんというオランダ人女性の原作の模様で、一時期インターネット上で流行っていたようです。

英蘭翻訳ガイドというキーワードで検索すると、たくさん画像が出てきますね。

 

コレ、なかなか面白いですが、このような異文化間に生じる勘違いは、私たちにとっても無縁ではなく、決して他人ごとではありません。

 

今回は、実際にあった異文化間ミスコミュニケーションについてご紹介いたします。

 

 

表面上、互いの会話はかみ合っている・・・?

 

赴任してしばらくのころ、新製品(仮にXXXとおきます)の生産台数が受注に追いつかないという事態が発生しました。まさに嬉しい悲鳴です。

この事態を調整するために、日本国内のXXX生産に携わる方たちが、出張者として日本からオーストラリアに、打ち合わせの目的で来訪されました。

さて、その際現地スタッフ日本人出張者が交わした実際の会話サマリーを、以下に紹介しましょう。

 

出張者(日)「新製品XXXの生産追いついてなくてすみません。 」

 

現地スタッフ(豪)「いやー本当そうなんっすよねー、人気すぎちゃって。で、このXXXなんですけど、次の500個はいつごろ、こちらオーストラリアに来るんですか? 」

 

出張者(日)「あのー、2か月後くらいかと・・・ 」

 

現地スタッフ(豪)「That’s GREAT!(すばらしい!)」

 


出張者(日)「(お・・・?)」(驚きとともにスマイルがこぼれる)

 

現地スタッフ(豪)「ってことは、今めちゃめちゃ不動在庫で困っているこのYYYが売れちゃうからな!」

 

出張者(日)「That’s great! I’m releaved! (すばらしい!よかった~!)」

 

現地スタッフ(豪)「でしょ~。来月は目標達成の踊りを踊ってやるから楽しみにしてな!」

 

後ほど、日本人同士の雑談にて・・・

出張者(日)「不動在庫はけそうなんですね!いい報告ができそうです!」

 

いかがですか?皆さん、なにか違和感を感じましたか?

 

 

しかし、互いに受け取った内容は全然違っていた!

 

実は、オージーは困った事態が起こったとき、ポジティブな表現に包み込んだ皮肉を入れることが多々あるのです。

今度は、さきほどの会話サマリーに、実際にそれぞれが込めていた意味を補足して、再掲してみます。

 

出張者(日)「新製品XXXの生産追いついてなくてすみません。 」

 

現地スタッフ(豪)「いやー本当そうなんっすよねー、人気すぎちゃって。で、このXXXなんですけど、次の500個はいつごろ、こちらオーストラリアに来るんですか? 」

 

出張者(日)「あのー、2か月後くらいかと・・・ 」

 

現地スタッフ(豪)「That’s GREAT!」うわ、マジで?!まいった。。(皮肉))


出張者(日)「(お・・・?スマイル。)」GREATだって?!意外と反応イイかも??

 

現地スタッフ(豪)「ってことは、今めちゃめちゃ不動在庫で困っているこのYYYが売れちゃうからな!」あちゃ~マジで困ったなぁ。(皮肉))

 

出張者(日)「That’s great! I’m relieved! 」(なるほどディーラーも在庫枯渇で困ってるから、YYYを買う必要性が出てくるのか。ということは、災い転じて福となったか!よかった~、GREAT!

 

現地スタッフ(豪)「でしょ~。来月は目標達成の踊りを踊ってやるから楽しみにしてな!」(お、日本人も皮肉でGREAT!って言ってくれてる。冗談通じる人たちだなぁ。もっかい皮肉お見舞いだ!

 

後ほど、日本人同士の雑談にて・・・

出張者(日)「不動在庫はけそうですよ!いい報告ができそうで、良かったです。

 


私「いやいやいや!!違いますあれは!!」

 

事態を察し、結果的に勘違い報告を未然に防ぐことができました。

しかしなんとまあ、なかなか興味深い出来事でした。

ふ~。危なかったー・・・!Red Centre, Stuart Highwayにて。世界で二番目に直線距離が長い道路らしいです。

 

皮肉の意味合いと見分け方


アングロサクソン系の方々は、皮肉がユーモアの一部となっています。ですので、喜んで皮肉を言います。

実際、特にシビアな状況を前にした時など、皮肉により場が和むケースは多々ありますね。

状況によりトゲをたたせた攻撃的皮肉もあることにはありますが、そういった使い方は少数派です。

 

日本でも、冗談がわりの皮肉はもちろんありますよね。しかし頻度は少な目で、若干トゲがあると思われるケースが多いように感じます。

 

しかし念のため、ユーモア優勢の皮肉文化とはいえ、トゲかユーモアか、常に気を付ける必要があると思います
現地のそういったノリは、一朝一夕に身に付けるのは難しいと思います。

 

そこで、実際に見分ける便利表現をご紹介します!

 

「I’m hoping that’s not a sarcasm.」
(皮肉じゃないですよね~?)

 

これが、割とストレートな表現となります。

 

しかし、これにはいくつかの欠点があり、

・言い方や雰囲気によっては、このセリフそのものが皮肉になる危険性がある

「それ、もちろん皮肉じゃないっすよね~」←というニュアンスで皮肉になってしまう

 

ということが考えられます。

 

つまり、先ほどの文脈だと

「なくても大丈夫さ、不動在庫を売るから!」←皮肉

「それ、皮肉じゃなくて、もちのろん本気だよね!」←皮肉

という解釈のされ方をしてしまう危険性がある、ということです。

 

 

 

だからといって真剣な顔で言ってみると、一応の確認はできるけど、トゲトゲしい表現になってしまう可能性があります。

「不動在庫売る?それ、皮肉のつもりで言ってるんじゃないよね?(怒)」的なニュアンスですね。

相手の懐が大きければ「いや、あの、現実的には厳しいっす・・・」と言ってくれるかもしれませんが、ここでは謝るのは出張者の方。逆切れされてるんじゃないかと勘繰られるのも得策ではありません。

 

というわけで、行き違いへの一抹の不安がある場合は、丁寧に

「Sorry, I’m lost in between two cultures – just to confirm – is that a sarcasm?」
(すいません、ちょっと文化間の違いで意味を掴みかねているところがありまして・・・さっきのは皮肉ですか?)

というのが無難です。こういった形で素直に自分の状況を説明すると、場も和みますし確認もできます。

 

 

 

 まとめ

異文化理解と言語障壁に起因した勘違いはいつでも発生しうるのでご注意を!

・皮肉に対するセンスの問題(異文化)

・オージーの普段の雰囲気が日本人と違いすぎる(異文化)

・日本人側の、英語での補足説明が不十分だったので皮肉ととられた(言語障壁)

 

 

いかがでしたか?

もしかして、日豪翻訳ガイドとか、日米翻訳ガイド、日英、日露、日印・・・けっこう作れるかもしれませんね?!情報をお待ちしています(笑)

ではまた!


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です