オーストラリアで、現地スタッフが大事にしていること

2011年4月の午後6時半頃の様子。メルボルンのEurika Tower

 

こんにちは。

 

駐在英語.comの秀村です。

 

 

今日は現地スタッフにとって「当たり前すぎること」を書きたいと思います。

 

「定時」の概念

私がオーストラリアに赴任したのは2011年4月のこと。311震災の直後ですね。

 

日本の「フクイチ」が大きな問題となっており、当時報道が混乱を極める中、海外では「チェルノブイリと同レベル」と認識している人も少なくありませんでした。

 

「2週間前に来たばっかりです」「3か月前に来ました」と言うと、かなり多くの人から「・・・大変でしたね・・・」と言われることが多かったです。

 

そんな中仕事を始めた私が最初にショックを受けたこと、それは業務時間です。

 

私の会社は9時開始、5時終了・・・なのですが、現地スタッフは9時前に出社し、まずコーヒーとトーストを用意し、デスクで食べ始めます。トースト片手にメールチェック。そして、来社する人に「Morning Michael!」等と挨拶をする。

自宅付近にあったSideStreet Cafeのクロック・ムッシュー。

そういう毎朝でした。

 

熱心なスタッフは2割ほどいて、彼らは朝早くからやってきます。早いスタッフは7時半から、毎日の売り上げチェックなどをしに出社します。

 

そして、16:45分に全ての仕事を閉じにかかり、16:55分にはパソコンの電源を落とす。17時きっかりに、荷物と共に会社を出て自宅に向かう。なので、定時の概念=「9時に会社のドアをくぐる」「17時に会社のドアをくぐる」です。

 

なので、16:40分あたりに彼らと仕事の話をしようもんなら、嫌~な顔をされます・・・と言いたいところですが、ところがどっこい、露骨に嫌な顔はせず、ニコニコ顔で対応されますが、心の中で嫌~な顔をしています。そう、オーストラリアでも本音建て前は立派に存在します。日本とはずいぶんニュアンスが異なりますが、確実に存在するのです。

 

この風景を見ている日本人駐在員は「オージー、ホントに仕事しないよな・・・」とぼやいたりするのですが、私にとってはこれは非常に希望の持てる企業文化でした。もちろん、私はどちらかと言えば管理する側でしたので大変な面もありましたが。。。

 

いずれにしても、「17時に会社のドアをくぐって家に帰る」というのは、彼らにとって非常に大切なことなので、これはリスペクトしなくてはいけない。

 

実際、社内規則でも「定時が5時」と言っている以上、部下から事前申請が来ない限り、原則5時に帰ってもらわないと困る・・・というのが「本来の形」というものです。そして、この【正論】こそが、欧米社会では非常に強い。

 

もちろん多少の融通は利きますが、原則正論が強いということを覚えておいて損はないと思います。

 

価値観の違いをどう受け入れるか

「そんなことを言っても、業務量が・・・」と、もちろんなるのですが、彼らの優先順位は仕事の完成度よりも、時間通りに終わることの方が高い傾向にあります。そして、それは決して「悪」ではない。それを理解しないと、日本人としてはイライラしてしまうかもしれません。

 

いえ、もちろん頭では理解できる人は多いと思いますが、どうも心で納得しない。「腑に落ちない」というやつですね。仕事のことが気になるんだったら、なぜ仕事の完成度にこだわらないんだろう?と疑問に思ってしまう。「よくもまぁこんな状態で資料の提出ができるもんだな」と。

 

私は大学時代に文化人類学を学んだことがあり、また50ヵ国を旅した経験から「世の中にはいろんな人がいる」ということを理解していたつもりでした。それでも、それがいざ自分事となると、どうもうまく処理ができない。

 

次回は、そんなギャップについていけなかった私の失敗談を一つ紹介いたします。

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