本社からの出張者対応

業務にも段々と慣れてきた頃、本社から1通のメールが届きました。

どうやら来月、本社からの役員様が、オーストラリアを視察にいらっしゃる様子。

 

レストランによってはワインテイスティングをすることも。実は、オーストラリアのワインはなかなか好評なのです。私はオーストラリアのワインならShirazが好き。ちなみに、フランス語読みではなく「シラー」と、最後まで発音します。

 

あなたは、現地法人の案内計画づくりはもちろんのこと、お偉いさんに精一杯のおもてなしをしなくてはいけません!

 

私は月1回ぐらいの頻度でこういった会食をセッティング・隣席していましたが、まだ赴任して間もない駐在員の方にとっては、気を付けるポイント満載のイベントだと思います。

 

ここでは駐在員としての、ふさわしいレストラン選び、心遣いに関して、私なりに気を付けてきたことをシェアしたいと思います。

 

もてなす際に気を付けるべきこと

 

視察に来る人物を意識


まず駐在員がどのような人物をもてなすかについて考えてみましょう。

 

基本的に、本社から海外まで視察に来る人物は、影響力が高い人物・・・

 

そう、すなわち「偉い人」です。

 

そういった方達は、駐在員がどのように振る舞うか、かなり「見て」います。

・・・ということは、準備不足であったり、心遣いが不十分なおもてなしをしようものなら、あなたの評価や評判に関わります。

Queen Victoria Marketで見つけた、なかなかアグレッシブなデザインのナイフホルダー。誰が使うんだろう・・・

 

出張者の好みを下調べしよう


本人に直接聞ければ理想ですが、そういったケースは珍しいかもしれません。

出張者をお迎えする前には、事前に部下の方と、仕事上の調整をするといったフェーズがあるはずです。

 

そういったタイミングで、メインの仕事要件の打ち合わせのついでに・・・
という体で、好みをそれとなく聞き出すことがオススメです。

 

好みの種類として、その土地のローカル名物料理が好きだとか、単純においしいものが好きだとか、はたまた和食Onlyだとか、案外色々なパターンがありました。

 

上記、特に和食Onlyのケースについては要注意です。
「絶対和食じゃないと嫌!」という方、たまにいらっしゃるんですよね~。

 

また、状況にかかわらず突然、和食にしよう!といったこともあります。
和食レストランのオプションは、引き出しとして何件かキープしておくのが無難だと思います。

 

ふさわしいレストランを見つけたら、必ず下見をすること!


Webでなんとなく調べてそれでOK!

ではなく、ローカルスタッフや、他の駐在員に相談したほうが確実です。

そして必ず、自分で下見をしましょう。

Webで評判よかったから・・・誰々がオススメだと言っていたから・・・。
それをもって、自分のオススメとするのは気まずいですし、

なによりも、下見で確認すべき事があります!

メルボルンで唯一呼び込みの人たちに会える、Little Hardware Lane.この辺りのレストランは、味は普通ですが雰囲気が良く価格も悪くないので、観光気分は満喫できます。

 

下見の際、絶対に確認すべきこと


まず、メニューを眺めましょう。参考のため画像を用意しました。

Movida Aquiという超人気スペイン料理レストランのメニュー。ここは本当においしいです。

 

けっこう馴染みが無い単語があるのではないかな・・・と思います。
(ちなみに、”Braised 〇〇”で、”蒸し煮にした〇〇”という意味になります)

では、もうひとつ。

Pure South Diningというレストラン。タスマニアの産物だけを使うというこだわりの食材で美味しいです。

 

このメニューを前にして、お偉いさんからこんな質問を受けたらどうでしょうか。

 

「Entreeのところで”Cured, smoked line-caught kingfish, heirloom tomato, lovage, yellow bean, olive”ってあるけど、これはどんな料理?」

(ちなみに、”Cured” はハーブやレモンの皮と一緒に塩漬けする料理方法。
“line-caught 〇〇” は”一本釣りした〇〇”という意味です)

 

ここで、しっかりと説明できるのが「デキる駐在員」です。

 

料理の説明ごときで何を・・・と思われるかもしれませんが、こういう細かいところが、良くも悪くも「見られる」のです。

 

スマホでメニューの写真を撮り、帰ったら調べて準備万端にしておく。
日本でそこまでしたら大げさですが、これぐらいしても良いと思います。

 

またその他、料理の記載順番や、飲み物の種類について確認など、そういった点からもメニューを把握しておくと尚良いでしょう。

食べ物と言えば、惣菜もおいしいです。これは、高品質の食材が並ぶPrahran Marketで買ったオリーブ。こういう小ネタを教えて差し上げるのも、高評価につながります。

 

喫煙者の方がいらっしゃる場合


オーストラリアでは、基本的に建物内や公共スペースは禁煙です。
喫煙できる場所は、かなり限られています。
レストランの近くに喫煙可能スペースがあるかどうか確認しておきましょう!

ちなみに、タバコはスーパー等で買えますが、値段はそのお店によって異なり、だいたい、1箱(20本入り)あたり、20~30ドル程度。日本と比べ、だいぶ高いです。

 

以下に、オーストラリアのタバコ事情について、参考リンクをご紹介しておきます。

https://tomofeed.com/tabacco-in-australia/
(確かに、愛煙家にはかなり厳しい国かもしれません。)

 

また、タバコの持ち込みに関して。

http://farmpoisoning.net/tabaco_tax_2017
(日本からの持ち込みに際しても、25本以内等、様々な制限があるようですね。)

 

実際の予約に関して


電話あるいは、Webで予約することになりますが、

Web予約では、予約が伝わらないことがあります

また、電話で予約しても、
6時半にレストランを予約したのに、7時半で予約されてた

なんて事が起こるのは、本当に日常茶飯事です。

Perthにいるオーストラリア人の友人の家にかかっていた壁掛け時計。うーん、オージー・・・。笑

 

基本的に、オージーは間違えることを前提に生きています。
ですので、相手が間違う前提で行動を進めるよう心掛けるが吉です。

 

間違えを回避するために、

電話予約したなら、電話の最後に復唱確認をすることを強く勧めます。
Web予約なら、予約後に念のため電話確認(+復唱確認)をしましょう。

ちなみにあちらでは、基本的に復唱確認するような習慣は無いようです。

復唱の際使う具体的な英語表現は、

 

「May I confirm the booking details just to make sure?」

(念のため、予約の内容を確認させていただいてよろしいでしょうか?

 

というもので、これは良く電話口で言っていた記憶があります。

 

 

レストラン内での心遣いに関して


基本的に日本での心遣いと同様になります。

ですが、上述の「オージーは基本的に間違う」ということを心に留めおき、

常に、

オーダーが通っているか?

ミスオーダーが発生していないか?

に心を配っておきましょう。

 

その際使う表現について、少し紹介しますと、

 

「Wow, this looks great! …So the beef cheek and paella are yet to come right?」

(美味しそうですね~。あと、牛ほほ肉とパエリアでしたっけ?)

※料理が来た時についでに言う

 

 

「Excuse me – I believe we ordered the beef cheek, so I wonder if this was meant to be served for the other table?」

(すいません、XXXを頼んと思うのですが、ひょっとしてほかのテーブルに持っていかなくてはいけないのかな、と思いまして。)

 

「Could you check with the kitchen if the beef cheek is ordered correctly?」

(さっき頼んだXXXのオーダーが通っているか、確認していただきたいのですが。)

 

「I believe the beef cheek is yet to come, but we expected it to come soon and I’m afraid we have to leave very soon – would it be possible to cancel this order?」

(すみません、牛ほほ肉を頼んだのですが、もっと早く出てくると思ってしまっていて、もうすぐ出なくてはいけなくて。キャンセルさせてもらうことはできますか?)

 

といった感じでしょうか。

料理が来ねえぞっ!・・・って、日常茶飯事だよね~。と友人と話していた時の写真です。

 

実際にあったレストランにまつわる失敗例

 

・予約がとれておらず、しかも満席で入店できなかった。

(本当にメルボルンあるあるです。友人との待ち合わせでも予約しましょう。)

 

・電話で予約したが、間違った時間に予約されていた。

(しかも相手はそれに対して全く悪びれないという・・・)

 

・Webで評判よかったので下見せずに行ったら、うるさ過ぎて話ができなかった。(オージーはワイワイした雰囲気で声を張り上げながらコミュニケーションを取るのが好きみたいです)

 

・レストランにたどり着けなかった。

(これはマジでやっちゃいかんやつです。「あれ、ここのはずなんですけどね~・・・」を15分くらいやって「もういいよ、他のところ行こう」となったという、やっちまった駐在員を、私は知っています。そして彼の任期は一瞬で終わりました。これが原因だったかどうかは誰も知りませんが。)

 

・ステーキ店に連れてきたが、肉はあまり食べたくないと後から聞いた。

(「最初から言ってくれよー!」と一瞬思いましたが、向こうからすれば「最初に聞いてくれよー!」ですよね・・・。)

 

・メニューに記載されている単語がわからず、内容を説明できなかった。

(私もやっちまいました・・・。「え~メニューも説明できないような人が、仕事できるの・・・??と、確実に思われてしまったと思います・・・。)

 

・オーダーしたはずの料理が来なかったが、英語が苦手なのでほっておいた。

(やっちまった駐在員その2です。みんなで「仕方ないよね」といって、満足度が低いまま帰ってしまったそうです。それがどう影響したのかは分かりませんが、プラスではないと思います・・・。)

 

・オーダーしたはずの料理が間違っていたが、英語が苦手なのでほっておいた。

(やっちまった駐在員その3を知っています。こういうことを目の前でされると、その人の仕事っぷりが見えてしまいますよね・・・。信頼度がちょっと下がっちゃいます。)

 

・実はヘビースモーカーだった。だがレストラン付近に喫煙所が全く無い。

 

・・・・もしも、全てここまでやってしまったら、かえって大物だと思われるかもしれません。いや、それはないか。

大物エルビス・・・のそっくりさん。South Melbourne Marketにて発見。

 

 

以上、いかがでしたでしょうか。

仕事やプライベートにかかわらず、素敵なおもてなしができる人は素晴らしいですよね。

 

ではまた!


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